BSテレ東「マネーの学び」2024年4月22日放送分より、決算書の読み解き方をまとめました。
決算シーズン真っ只中の今、ぜひ参考にしてください!
目次
決算書とは?
決算書の3要素
損益計算書で押さえるべきポイント6つ
営業利益のチェックポイント2つ
決算書を見るうえでのその他のポイント2つ
決算書とは?
決算には、1年に一度の本決算と四半期に一度の四半期決算があります。
それぞれ、決算期末から45日以内に出るものが決算短信、
決算期末から3か月以内に出るものが有価証券報告書(有報)です。
これらが、一般的に決算書と呼ばれます。
なお、投資家が重視するのはどちらかといえば決算短信なのだそうです。
決算書は、企業のIRページの他、東証のTDnet、金融庁のEDINETで閲覧できます。
決算書の3要素
損益計算書 | 企業の成績表 決算期の中でどのくらい頑張ったのか? |
貸借対照表 | 企業の健康診断 創業から今までで、今はどんな状態なのか? |
キャッシュフロー計算書 | 企業のお小遣い帳 どうお金を得て何にお金を使ったのか? |
損益計算書で押さえるべきポイント6つ
画像の濃い青色のところが押さえるべきポイントです。
米国株をやっている方向けに英語も調べてみました。
売上高 Sales/Revenues
売上総利益(売上高-売上原価) Gross Profit
営業利益(売上総利益-販管費) Operating Profit/Operating Income
経常利益(営業利益-営業外損益) Ordinary Profit/Ordinary Income
税引き前利益(経常利益-特別損益) Income before Income Taxes
純利益(税引き前利益-法人税など) Net Profit/Net Income
例に出ていたのは東京エレクトロンの決算数値。
22年度は21年度と比較して、売上高も利益も総じて伸びていることがわかります。
営業利益のチェックポイント2つ
①利益率まで確認
営業利益の数字だけではなく、利益率(営業利益÷売上高)まで確認するようにしましょう。
上記の東京エレクトロンの数字で計算すると、21年度の営業利益率は29.9%。それに対して22年度は27.9%と、営業利益の額は増えているのに、営業利益率は下がっているということがわかります。
利益率を確認して「おや?」と思ったら、決算書に記載されている企業の説明(なぜ営業利益が増えたのか?なぜ利益率が下がったのか?などの理由が書かれています)を見に行きましょう。
②四半期ごとに5年分をチェック
例えば、新型コロナウイルスの影響や戦争の影響など、その年だけに影響を与えているものがある場合、1年分の決算書だけを見てもその会社の通常の傾向はわかりません。そのため、5年分の決算書をチェックするようにしましょう。
決算書を見るうえでのその他のポイント2つ
①株価へ影響を与えるのは、実際の金額ではない
例えば、売上も利益も伸びたのに株価が下がった、逆に利益はマイナスなのに株価が上がった、ということが起こります。
これは、実際の金額ではなく、投資家の予想に対してどんな結果だったか、が株価に影響を与えるためです。たとえ売上や利益が伸びていても、投資家が予想した伸び率よりも低かったら株価は下がり、利益がマイナスでも投資家が予想したよりもマイナス幅が小さければ株価が伸びることもあるのです。
②会社のクセを押さえておこう
例えば「第四四半期で1年間の売上の大半を売り上げる会社」の株を持っていた場合、そうと知らずに第三四半期の決算短信を見て「売上目標の4分の3に達していない…今期の売上目標には届かないだろう」と株を売ってしまったとします。その後、第四四半期で一気に売上が上がり目標を達成した、ということが起こりえます。
そのため、その会社がどの時期のどのくらい売り上げるのかというクセを知っておくことが重要です。
また、「この会社はいつも控えめな見込みを出すけど大体結果が上回るな」「この会社はいつも予想を下振れるな」などのクセも知っておくことで、会社が出した予想をそのまま信じるのではなく、自分なりの解釈を持って投資することができます。
みなさまが株を持っている会社の第一四半期決算発表はもう終わりましたか?
筆者は、決算発表の翌日に株価を見てぎょっとしたりしております……
決算書を読めるようになると、社長の人柄も想像できたりして楽しそうですね!